宗教、言語、日本人

校長のひとり言

英語等、ヨーロッパ系の言語を勉強していると結構「バイブルによる言い回し(あるいは本当の意味でのイディオム(※))」が結構出てきます。アラビア語などを勉強しているとこれまた当然のように「クルアーンによるもの言い回し」が多く出てきます。つまり、こうした外国の言語を勉強するときはそのエリアで支配的な宗教の教典を知らないと意味が分からないものがそれなりにある、という事になります。

そう考えた時、日本語ってそういう宗教に根差した言い回しって少ないですね。知らなくてもどうにかなります。でも、逆に言うとそれはかなり特殊です。たとえば英語を例にとっても『聖書でわかる英語表現』『聖書に由来する英語慣用句の辞典』などのような本が数多く出版されています。こう考えれば日本のように無宗教的な考え方がいかに世界ではマイナーなものかが簡単に理解できると思います。

日本人はもっと宗教というものについて学び、宗教についてのGHQの植えつけたアレルギー反応を克服しなければ、いくら経済大国になろうが、何をしようが本当の意味で国際社会を理解することができませんし、ある程度以上の信頼や尊敬を獲得することが不可能とは言いませんがかなり難しいのは当然です。一人でも多くの人が「何かの宗教を」ではなく、「広く宗教を」学んで欲しいといつも思っています。

(※)イディオムというと単純に熟語だと思っている人がわりと多いのですが、熟語は正確にはイディオムではありません。実際のイディオムとは「It’s raining cats and dogs!:土砂降りだ!」のように知らなければ意味が全くわからない様な言い回しのことを言います。ちなみにこのイディオムは北欧神話で、猫には雨を降らせる力があり、犬には風を起こす力があると信じられていたことからできたものだといわれています。

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